この記事は、
以前、簡易食物硬さ測定器「かめるか」を使って
ゼリーの硬さを試してみた記録から続いています
https://www.yoshichan-kaigo.com/2026/01/blog-post_1.html?m=1
① 食材を考えるときの視点として
介護食・嚥下食では、
「やわらかい/かたい」だけでは安全性を判断できません。
食材の性質(物性)をいくつかの視点で見ることが必要になります。
専門的には Texture Profile Analysis(TPA) という考え方があるようです。
食べやすさを考えるうえで大切な視点だと思っています。
② 食材の物性をみる4つの視点
① 硬さ(Hardness)
- 押したときの抵抗
- 数値では kPa で表されることが多い
- 嚥下の「入口条件」
母の場合の目安:5~10 kPa
※ 厳密な数値ではなく、「このくらい」という範囲で考えています。
② 弾力(Springiness)
- 押したあと、どれくらい戻るか
- ゴムっぽさ、跳ね返り感
弾力は、単独での安全・危険の見分けはつきにくいので、 凝集性との組み合わせが大切だと思います。
母は丸呑みになるため、まとまってはいるけれど、喉通りがよく、詰まりなく通るものを重要としています。
③ 凝集性(Cohesiveness)
- どれだけ「ひとまとまり」を保てるか
- 食塊形成のしやすさ
👉 食塊形成が苦手な人ほど、最重要の要素 になると考えられます。
母の場合、口の端からこぼれ出てきたり、呑み込めずに口の中に残ってしまいます。
④ 付着性(Adhesiveness)
- 舌・口蓋・歯にくっつく力
- べたつき、口の中に残りやすさ
👉 高すぎると口腔内残留・窒息リスク につながります。
母の場合、食べた後に上顎に残っている事があります。
その為、食後の口腔ケアも大事になります。
③ 食塊形成が苦手な人に必要な物性
必要なのは、次の バランス と思ってます
- 硬さ:低すぎない
- 弾力:強すぎない
- 凝集性:高い(最重要)
- 付着性:低~中
👉 言葉では難しい表現になりますが、「やわらかい」ではなく「まとまるやわらかさ」が必要になります
④ 家でできる実用的な確認方法
1 スプーンで押してみる(基本)
- 押すと沈む
- 散らばらない
- 弾いて強く戻らない
👉 舌で押したときの動きを再現する感じです。
2 凝集性の段階評価(スプーンで割る)
- 割れても一塊を保つ
- 縁が少し崩れてもまとまる
- 二つに割れても粒立たない
👉 ばらける・流れるものは避けます。
3 弾力の考え方(ゼリー・ムース前提)
- 強:押すとすぐ戻る → 均一なら安全なこともある
- 中:つぶれて少し戻る → 食塊形成を助ける(理想)
- 弱:戻らない → 食塊形成が苦手な人には不向き
弾力は凝集性とセットで状態を観る
⑤ 交互嚥下の活用
- 食形態だけに頼らない
- 送り込みを助け、その日の嚥下に合わせる
⑥ ムース状食の注意点
- ムースでも食材によって硬さ・まとまりは異なる
- 「ムースだから大丈夫」と決めつけずに必ず押して確認する
⑦ 最終判断は「食後の様子」
- むせない
- 声が変わらない
- 口の中に残らない
- 疲れすぎない
⑧ まとめ(判断の流れ)
数値 → 目安
観察 → 判断につなげる
継続 → 確認材料の積み重ねによる確信へ
「食べやすいものを、できる範囲で、無理をせず。難しくしないことも、大事な工夫。」

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